詳しく解説 初級中国語基礎文法 把構文は「どうゆう時に使われる?」
把構文とは
本来動詞の後ろに置かれる目的語を介詞「把」の目的語として動詞の前に置き、この介詞フレーズが動詞に対して連体修飾語の働きをする構造のことです。
私は扉を閉めた
・我把窗户关上了
・我关上窗户了
この2つは何が違うのでしょうか。
・我关上窗户了
これはただ事実を述べているだけです。
・我把窗户关上了
こちらは窗户に対して「どうゆう行為や処理を加えたのか」という処理の意図が加わっています。
では把構文がどうゆう時に使われるのかを詳しく説明していきますので理解していきましょう
ユーチューブでも解説していますので良ければご覧ください
Contents
把構文の条件について
まず把構文にするには条件があります。
<条件>
①処置ができる時
②ミステイクの時
③動作による結果を重視する時
①処置ができる
特定のものをどのようにするか,したか,扱うか,扱ったか,処理するか,処理したか,ということを「処置」と言います。
特定のものを処置できるなら把構文が使えます。
「特定のものを処置できる」とはどうゆう意味なのでしょうか。
例えば,「映画をみた」を「我把电影看了」とは言えません。
映画を単に見ただけでは、何も処置を加えることができないので把構文は使えません。
もし「映画を撮り終えた」なら処置することなので把構文を使用できます。「我把电影怕完了」
②ミステイク
ある特定の物事をわざとではなく、うっかり失敗してしまった(ミステイク)時にも把構文を使う条件の一つです。
弟はあの本を破ってしまった
弟弟把那本书撕破了
あなたのコップを壊してしまった
我把你的杯子打破了
文脈から見るとわざとかどうかわかりません。あくまで話者が知っている状況が大前提です。
③動作による結果を重視する
意識して行う動作の結果を重視し、その結果を相手に伝えることも把構文を使う条件です。
あの本を読み終えた
我把那本书看完了
看完了は動作の結果で、話し手がこれに重点を置いて相手に伝えるので把構文を使わなければなりません。
「我看完了那本书」だと事実をただ述べているだけになります。
動詞や目的語の使用条件
構造としては、
主語+把+目的語+動詞+補語
このようになります。
動詞の制限
①動詞は目的語を持てる他動詞のみ
②動詞は単独で使えない
目的語の制限
①特定のものしか使えない
②話し手と聞き手が既知のもの
動詞の制限
①動詞は目的語を持てる他動詞のみ
把構文に使えない動詞
・自動詞(目的語をとらないもの)
休息,游泳,走のような自動詞は処理が出来ず目的語もないので使えない
・能動動詞,心理動詞,感情動詞
希望,知道,喜欢,感动なども処理ができず結果も生じないので使えない
・動作を表さない動詞
是,有,像,在など動作性がなく処理が出来ないので使えない
・方向を表す動詞
来,去,上,下,进などの動作は物を使わないので使えない
・特殊な結合動詞
結婚,见面,求婚,洗澡など
把她结婚了
→目的語が2つになるため使えない
跟她结婚了が正しい
②動詞は単独で使えない
把那个房间收拾
部屋を片付けなさい
この收拾は単独で使われているので間違いになります。
以下の条件を満たす必要があります
・動詞が重ね型である
你把那个房间收拾收拾
・動詞の後に「了」か「着」がつく
你把那个房间收拾了
・動詞の後に動量詞がつく
你把那个房间收拾一下
・動詞の後に補語(結果.方向.状態)がつく
→可能補語は使えない
你把那个房间收拾干净
・動詞の後に目的語がある
你把那个房间租给他
目的語の制限
①特定のものしか使えない
目的語である事物に「行為・処理を加える」には、その目的語はぼんやりとした不特定のものではなく、はっきりそれと分かる特定のものであったり、すでに存在しているものでなければいけません。
かつ、加えられた行為・処理が現れるという事です。
例えば位置が移動したり、状態が変わったりといった何らかの変化や結果が現れることを意味します。
具体的には、固有名詞や指示代名詞、限定語で修飾しているものでなければいけません。
名詞の前の数量詞は単に数を表し、特定のものを示す訳ではないので使えません。
私はリンゴを一個食べた
×我把一个苹果吃了
○我吃了一个苹果
もしくはリンゴを特定のものにすれば把が使えます
私はあのリンゴを食べた
我把那个苹果吃了
②話し手と聞き手が既知のもの
昨日洋服を買った
×昨天我把衣服买了
○昨天我买了衣服了
この洋服はどんな洋服か相手が全然知らないので、把構文は使えません。
把構文にするなら
昨天我把那件衣服买了
などでなければいけません。
ただお互いが既知のものにはよく代名詞が付きますが、お互いに知っている物なので省略される場合もあります。
私は車を売った
我把车卖了
代名詞がついていませんが、話し手と聞き手がお互いに既知のものであれば代名詞がなくても把構文が使えます。
助動詞・(否定)副詞の位置について
「把」の前に置くようにしましょう
この本を彼にあげたくない
我不想把这本书给他
あの資料をすでにコピーした
我已经把那个资料复印了
彼はあの写真を持ってこなかった
他没把这些照片带来
結果に関わる目的語が2つある場合
①「〜をどこどこに」
彼はあの写真を壁に掛けた
他把那张照片挂在墙上了
②「〜を誰誰に」
この手紙をお母さんに渡して下さい
请你把这封信交给你妈妈
③「〜を何何に」
彼はあの文章を英語に訳した
他把那篇文章翻译成英文了
「〜を何何とする」
私達はこの犬を私達の子供として扱っている
我们把这条狗当做我们的孩子
例文
×请你把那些杂志收拾
○请你把那些杂志收拾收拾
×你把垃圾扔
○你把那些垃圾扔了
×我把一本书丢了
○我丢了一本书
×我吧这本书不想给他
○我不想把这本书给他
×你把这个能教给他吗?
○你能把教给他吗?
以上となります。
ではでは!!
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