詳しく簡単解説 初級中国語文法「様態補語・程度補語」得の使い方
中国語でよく見られる補語の「得」。
他高兴得很
彼女たちは大変な喜びようだ
他跑得很快
彼は走るのが早い
この「得」には様態補語と程度補語の2つの使い方があります。どのように訳し、どのように使用していくのでしょうか。勉強していきましょう。
Contents
様態補語について
ある動作の状態を補足説明するのが様態補語です。
例えば、走(歩く)という動作の状態について補足説明するには、その動作の「走」の後に助詞「得」をつけ、その様態を形容詞、または副詞+形容詞で表します。
動詞+得+形容詞
動詞+得+副詞+形容詞
①我走得快
私は歩くのが早い
②他说汉语说得很流利
彼が中国語を話すのはとても流暢だ
①の日本語訳は自然な感じですが、②の日本語訳は少し変ですよね。普通、日本語だと「彼の中国語はとても流暢だ」が自然です。ただこのような日本語だと、状態補語を使用せずに「他的汉语很流利」と訳してしまいませんか?
様態補語を使用していくためには何に気をつけていけば良いのでしょうか。ご説明していきます。
様態補語3つの条件
動作の様態を表す場合、どんな動詞にも様態補語が使えるとは限りません。様態補語が使えるのは評価・描写・結果の3つの場合のみです。
評価の場合
彼は走るのが早い
他跑得很快
彼ははっきり話します
他说得很清楚
様態の描写には話し手の主観的な評価が含まれています。
描写の場合
彼の手は高く挙がっている
她的手举得高高的
部屋は綺麗に片付けてある
房间收拾得干干净净的
これらは評価ではありませんが、動作や容姿の持続している状態を描写しているので様態補語を使用します
結果の場合
彼女は泣いて目が赤くなった
他哭得眼红了
彼は喜んで飛び上がった
他高兴得跳了起来
単に動作の結果を表すだけなら結果補語を使いますが、動作が原因になって至った結果の状態を表すには様態補語を使用します。
これらのように様態補語は、動作の状態でないと使用できません。
例えば、「中国語を勉強するのは難しい」という日本は、動作の状態ではなく、事実を述べているだけなので「汉语学习得很难」とは言えません。「汉语很难」という必要があります。
また動作の状態ではなく、動作主の気持ちや感情の状態を表す時にも様態補語は使えません。
「彼はちょっと恐れて言った」
×他说得有点儿恐惧
○他有点儿恐惧地说着
様態の描写のように思えますが、動作主の気持ちや様子なので様態補語は使用できませんので注意が必要です。
語順について
様態補語の「得」の直前には必ず動詞を置く必要があります。名詞は置けません。
そのため、目的語がある場合は動詞を繰り返すか前の動詞を省略するか「的」をつける必要があります。
彼は歌うのがとても上手だ
×他唱歌得很好→得の前に目的語
○他唱歌唱得很好→動詞を繰り返す
○他唱歌唱得很好→前の動詞を省略
○他的歌唱得很好→的をつける
間接目的語の時
彼は私達に教える教え方が丁寧だ
他教我们教得很细
「教」のような二重目的語をとれる動詞の間接目的語(他教我们汉语)を目的語とする様態補語では、前の動詞を省くことが出来ません。
都,已经などの場所
都や已经などは、V得の前か後ろに置きます。
彼らは漢字を書くのが皆んななかなかのものだ
他们学汉字都学得不错
彼は本文を読む読み方がすでにとても上手だ
他念课本已经念得很好
動詞+得+介詞構文/文について
様態補語の「得」の後は形容詞以外にも様態を表す介詞構文や文も置くことが可能です。
動詞+得+介詞構文
動詞+得+文
彼の中国語は中国人のように上手だ
他说汉语说得跟中国人一样好
強い風が木の葉を全部吹き飛ばした
大风刮得树上的叶子全都落下了
彼は走ってすっかり汗をかいた
他跑得直流汗
形容詞+得〜について
今までお話ししてきた様態補語は「得」の前は動詞が置かれていました。動詞ではなく、形容詞で表す様態も様態補語で示せます。
形容詞+得+動詞+目的語
形容詞+得+介詞構造+動詞
形容詞+得+介詞構造+形容詞
形容詞の様態補語は「得」の後に動詞と目的語など、あるいは「介詞構文」か「文」でその動作の様態を示します。
また形容詞の後に、「動詞+目的語」でその形容詞の様態を示します。
私達は嬉しくて飛び上がった
我们高兴得跳起来
痛くて彼女は泣き続けた
疼得她直哭
私は疲れ果ててご飯も食べたくない
我累得不想吃饭
彼女は忙しくてご飯を食べる時間もない
他忙得没时间吃饭
あなたの中国語は彼よりもっといい
你汉语说得比他还好
否定文について
様態補語は補語の部分に意味の重点があります。そこで否定は、補語を「不」で否定します。
彼の話し方はいつもはっきりしない
(彼の話し方ははっきりしなかった)
他说得不清楚
彼女の来るのはいつも遅くない
(彼女の来るのは遅くなかった)
他来得不晚
疑問文について
①「吗」疑問文
彼は普段たくさん働きますか?
他平时干得多吗?
②反復疑問文
彼女はお金をたくさん稼いでますか?
他挣钱挣得多不多?
③特殊疑問文「得怎么样」
今回、事態の進展はいかがですか?
事情这次进展得怎么样?
程度補語について
程度補語とは形容詞や感情動詞の程度を表す補語のことです。程度補語の表し方は大きく分けて2つあります。
形容詞+得+副詞
形容詞/感情動詞+极了/死了/坏了/透了/多了
では詳しく説明してきます。
形容詞+得+副詞
副詞には很/多/慌/不得了/了不得/要命/要死/不行/厉害など、いずれも「ひどく〜だ」「すごく」等程度が高いことを表す語が補語となります。
彼はひどく焦っている
他急得不得了
この数日、暑くてたまんない
这几天热得要命了
形容詞/感情動詞+极了/死了/坏了/透了/多了
「极了」
程度が極めて高いことを表します。
この場所は大変よいです。
这个地方好极了
あの映画を見て、私達は大変感動した
看了那个电影,我们感动极了
「死了」
「極端に悪い」程度を表します。
(結果補語の死了と同じ形をしていますが意味は違いますので注意しましょう)
これはとんでもなく高い、買わないで
这东西贵死了,你别买
死了には、死と了の間に「人」もしくは「動作主」を入れることができます
这东西贵死人了
「坏了」
「程度のひどさ」「とても」という意味になります。
この程度補語は話者にとって望ましい形容詞、例えば好/便宜/漂亮/高/大などに絶対使用できません。
人間の体や感情に関わる形容詞、しかもよくない意味の形容詞なら坏了と一緒に使えます。例えば、忙/累/热/饿などです。
一緒に使える感情動詞は少なく、气/急/乐/笑だけです。
ほら、君は彼を疲れ果てさせたよ
你看,你把他累坏了
坏了には、坏と了の間に「人」もしくは「動作主」を入れることができます。
你看,你累坏他了
「透了」
「極めて」「大変な」「甚だしい」という意味です。
この程度補語は使える範囲が狭く、形容詞も感情動詞も人間に関わるもので「悪い」「消極的な意味のもの」に限られます。
あれらのことは本当にすごく面倒くさい
那些事真麻烦透了
「多了」
多了は比較文にしか使用できません。比較文の記事にも出てきていますね。
この料理はあの料理よりずいぶん美味しい
这个菜比那个菜好吃多了
ニュアンスの違い
你好好说中文「ちゃんと中国語を話しなさい」
你的中文说得很好「あなたの中国語はとても上手です」
你多吃一点儿「もっとたくさん食べなさい」
你吃得很多「彼はとてもたくさん食べます」
你快跑「早く走れ」
他跑得很快「彼はとても速く走ります」
他在认真地学习「彼は真面目に勉強をしている」
他学习得很认真「彼はいつも真面目に勉強します」
你怎么生活?「どのように生活するの?」
你生活得怎么样?「生活はいかがですか?」
你要好好复习「ちゃんと復習をしなければならない」
你复习得很好「あなたはちゃんと復習できています」
以上となります。
ではでは!!
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