詳しく簡単解説 中級中国語文法 数量詞(有点儿,一点儿など)

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詳しく簡単解説 中級中国語文法 数量詞(有点儿,一点儿など)

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一点儿について

一点儿は不定数量詞で「ちょっと」という意味です。

動詞+一点儿+名詞

一点儿は名詞を修飾する不定数量詞なので、普通の数量詞の使い方と同じく動詞と目的語の間に使います。

ちょっとお金をください
请你给我一点儿钱

一点儿の後ろは具体的な名詞でも抽象的な名詞でも置けます。そして目的語を省略することもできます。

ちょっと飲んでください
你喝一点儿(酒や水)吧

会話でお互いにわかってたら目的語は省略できます。

動詞の後の一点儿は数量詞なので、動作の軽さを表す「ちょっと」は一点儿ではなく「一下儿」を使用します。一点儿は名詞の「ちょっとの量」を表します。

形容詞+一点儿

2つの用法があるので説明してきます。

比較する時に使う

他の物事の程度・状態と比較して、ちょっと差があることを表します。

今回の利潤は少し少ないかもしれない
这次的利润可能小一点儿

比較文でも使用されます

A比B+形容詞+一点儿/一些

彼は私より少し背が高い
他比我高一点儿
中国はアメリカよりちょっと広い
中国比美国大点儿
これはあれより少し高い
这个比那个贵点儿

比較するニュアンスがあれば「形容詞+一点儿」を使いましょう。
比較するニュアンスがなく、単に物事の程度や状態の低さ、少なさ、あるいは軽さに自分の不満の気持ちを表すためには「有点儿+形容詞」を使用します。

あそこはちょっと暑い
那儿热一点儿
あそこはちょっと暑い(やだな)
那儿有点儿

相手にお願い・命令・催促する場合

形容詞+一点儿は相手に何かお願い、命令、催促する時、あるいは自分から進んで何かする時にも使われます。

少し安くしてくれませんか?
便宜一点儿,行吗?

点儿を入れると、少し遠慮する気持ちが入るので、お願いをするときは入れるようにしましょう。催促する場合も遠慮の気持ちがある場合は入れると良いです。

それから、「形容詞+一点儿」の後ろには動詞が置けます

あなたは明日少し早めに来てください
你明天早点儿来
ゆっくり歩いて
慢点儿走
真面目にやってください
老实点儿干

自分から進んで何かを提案する場合

私は明日少し早めに来る
我明天早点儿
私たちは少し遅く出発しましょう
我们晚点儿出发吧
少しゆっくり言います
慢点儿
少し簡単に話します
简单点儿

動詞+形容詞+一点儿

お願いする、提案するの「形容詞+一点儿+動詞」とほとんど同じで、相手にお願いしたり自分から進んで何かをする時によく使われます。

ちょっとゆっくり話してください
○你说慢点儿
○你慢点儿说吧

少し具体的に言ってください
○你说具体点儿
○你具体点儿说吧

少し早く歩いてください
○你走快点儿
○你快点儿走吧

 

一点儿+都(也)+不(没)+動詞(形容詞)

「少しも〜しない、しなかった、〜ではない、〜ではなかった」という表現でも一点儿が使われます。

少しも信じない
一点儿都(也)不相信
少しも飲まなかった
一点儿都(也)没喝

まとめ

動詞+一点儿+名詞
形容詞+一点儿(+動詞)
動詞+形容詞+一点儿
一点儿+都(也)+不(没)+動詞(形容詞)

一点儿は不定数量詞なので、動詞と形容詞の前には置けません。必ず「動詞/形容詞+一点儿」にします。

動詞の後の一点儿は数量詞なので、動作の軽さを表す「ちょっと」は一点儿ではなく「一下」を使用します。一点儿は名詞の「ちょっとの量」を表します。

「形容詞+一点儿」は「お願い、提案、比較」する時に使用します。
後ろに動詞を置くこともできます「形容詞+一点儿+動詞」
不満がある時には「有点儿+形容詞」を使用します

「動詞+形容詞+一点儿」は「形容詞+一点儿+動詞」と同じ意味で「お願い、提案」の時に使います

一点儿と一些の違い

どちらも不定数量詞で「ちょっと」という意味ですが何が違うのでしょうか。確認していきましょう

一点儿が使えて一些が使えない

「少しも〜ない」時は一点儿を使う

少しも食べなかった
一点儿都没吃
私と少しも関係ない
跟我一点儿关系都没有

抽象的な名詞、量を数えられない名詞は一点儿を使う

人気「人气」、音「声音」、風「风」などには一点儿を使います

昨日雪が少し降った
昨天下了一点儿
明日は少し時間がある
明天我有一点儿时间

単独で使う時は一点儿を使う

会話の中で、よく「少し」だけで返事することがあるかと思います。その場合は「一点儿」で返事をします。

中国語が話せますか?→少し
你会说中文吗?→一点儿

一些が使えて一点儿が使えない

人間・動物には一些を使う

人間と動物は数えられるので一些を使います。

賛成する人は少ししかいない
只有一些人赞成

一つではなく、いくつかはっきりわからない時は一些を使う

机にいくつかおもちゃが置いてある
桌子上放着一些玩具
公園に熱帯植物が少しあります
园里有一些热带植物

両方使えるがニュアンスが異なる

一些の方が少し多いニュアンスになります。話者が「ほんの少し」と言いたいときは一点儿を使いましょう。「少し多い、いくらか」のときは一些を使いましょう

①给我一点儿时间
②给我一些时间

両方とも「少し時間をください」ですが、①は5分から〜15分ぐらい、長くても1時間ぐらいです。②は何日間、何週間のような「ちょっと長い時間」で使用します

まとめ

「少しも〜ない」ときは一点儿を使う
抽象的な名詞、量を数えられない名詞は一点儿を使う
返事など単独で使う場合は一点儿を使う

人間・動物には数えられるので一些を使う
いくつかはっきりわからない場合は一些を使う

ニュアンスの違いがある
→一些の方が少し多いニュアンス

一点儿,一会儿,一下の違い

それぞれの意味

一点儿 

名詞の量が「少ない、ちょっと」を表します。
動作の軽さの「ちょっと〜した」ではありません。

果物をちょっと買いたい
我想一点儿水果
少し食べてください
一点儿

一会儿

動作の時間の短さ「しばらく」と時間の短さを表します

「動作の時間の短さ」=一下

ここでちょっと休んでください
你在这儿休息一会儿
私は少し寝たい
我想一会儿

「短い時間」≠一下

ほどなくして警察がきた
一会儿,警察就来了
間も無く彼は来るだろう
一会儿,他就回来

一下

動作の軽さ動作の時間の短さを表します。
動作の軽さとは「動作の軽さ、動作をする気持ちの軽さ」を表します。
動作の時間の短さは一会儿と置き換えられる場合があります。

「動作の軽さ・動作のする気持ちの軽さ」≠一会儿

ちょっと試着してもいいですか?
我可以穿一下吗?
彼はドアをちょっと軽くノックした
他轻轻地敲了一下

「動作の時間の短さ」=一会儿

○你在这儿休息一会儿
○你在这儿休息一下吧

○我想睡一会儿
○我想睡一下

他にも等一下,躺一下,想一下,坐一下などがあります。

一会儿と一下の違い

共に時間的に短いことの「ちょっと」を表しますが少し違いがあります。

すぐ終わらない動作は一会儿,すぐ終わる軽い動作は一下

①彼はちょっと笑って頷き同意した
他笑了一会儿就点头同意了
②彼はちょっと笑ってすぐ頷き同意した
他笑了一下就点头同意了

①はしばらく笑ってから頷き、②はちょっと笑ってすぐ頷いていることを表しています。

動作の軽さを表す一下は一会儿に置き換えられない

ちょっと試着してもいいですか?
我可以穿一下吗?
彼はドアをちょっと軽くノックした
他轻轻地敲了一下
これらのお金をちょっと数えてください
这些钱,你点一下

これらは「動作の軽さ」なので一会儿には置き換えられません

 

短い時間を表す一会儿は一下に置き換えられない

ほどなくして警察がきた
不一会儿,警察就来了
間も無く彼は来るだろう
过一会儿,他就回来

これらの一会儿は厳密に言うと短い時間を表す時間詞です。日本語の「あとで、しばらくの間、間も無く」の意味にあたります。そのような一会儿は一下には置き換えられません。

まとめ

一点儿
量的に少ないこと

一会儿
動作の時間の短さ(=一下)
短い時間(≠一下)

一下
動作の時間の短さ(=一会儿)
動作の軽さ(≠一会儿)
動作をする気持ちの軽さ

有点儿について

語順は「有点儿+形容詞・感情動詞・理解動詞」になります。必ず前にきます。

副詞の有点儿と「有+点儿」

私はちょっとお金があります
有点儿

この有点儿は副詞の有点儿ではなく、動詞「有」+一点儿がくっついている形です。一点儿の「一」が省略されています。副詞の有点儿は名詞を修飾することができません。

副詞 有点儿+形容詞

これは少し安い
×这个有点儿便宜
○这个便宜一点儿

語順は「有点儿+形容詞」なのですがなぜ間違いになるのでしょうか。有点儿を使うのは、話者にとって望ましくない時に使用されます。「これは少し安い」は話者によって良いことなので有点儿は使用できません。もし「これは少し高い」などでしたら望ましくないことなので「有点儿贵」ということができます。

副詞 有点儿+病気と痛み

病気や痛みも望ましくないことなので有点儿を使用できます。「ちょっと風邪を引いた」「ちょっと痛い」なども 一点儿ではなく有点儿を使わなければいけません。

比較文には有点儿は使えない

比較文は両者の状態、レベルの比較なので、絶対的な程度副詞が形容詞を修飾することができません。例えば「我比他很高,我比他非常高」 などとは言えません。同じく有点儿も絶対的な程度副詞なので比較文で形容詞を修飾することができません。一点儿を使いましょう。

私の中国語は彼よりちょっと上手い
我的汉语他好一点儿

動詞+一下と動詞の重ね型の違い

動詞+一下と動詞の重ね型はどちらも「ちょっと〜する、ちょっと〜してみる」という意味で学習しているかと思います。しかしこの2つは全く同じ使い方をするかというと違います。

明日ちょっと来てください
明天你来来
ちょっと入っても大丈夫ですよ
进去进去没关系

上記の文では動詞の重ね型を使うと間違いになります。一下を使用しなければいけません。では違いを説明していきます。

重ね型が使えない場合

繰り返して延長することができない動作

例えば、来,去,站,放,拿などは重ね型を使えません。その場で繰り返して延長することができない動作は重ね型が使えず、 一下を使う必要があります。

来来→来一下
去去→去一下
站站→站一下
你开开灯→你开一下灯
喝喝→喝一下

そして、繰り返して延長することができない動作は語気詞の「看」を使うと、重ね型が使えるようになります。ただし、来,去は例外で看をつけても使えません。

吃吃→吃吃看
站站→站站看
放放→放放看

「繰り返しできる動作」
擦,改,摸,确认,休息など
→重ね型、一下どちらでも使える

「繰り返しできない動作」
换,贴,戴,决定,参加,牺牲など
→一下を使う

離合動詞

「動詞+目的語」で構成された離合動詞も重ね型が使えません。離合動詞は動賓動詞ともいわれます。離合動詞の場合は、動詞部分のみを重ね型にします。もしくは動詞と目的語の間に一下を入れます。

录音→录录音,录一下音
散步→散散步,散一下步
冒险→冒冒险,冒一下险
看病→看看病,看一下病

過去のこと

彼は今朝ちょっと新聞を読んだ
×他今天早上看看了报纸
○他今天早上看了一下(一会儿)报纸

晩御飯の前に彼はちょっと休んだ
×晚饭前他休息休息了
○晚饭前休息了一下(一会儿)

看も休息も繰り返しできる動作なので通常は重ね型を使えるのですが、上記のように過去の動作には重ね型が使えません。つまり、重ね型は主にこれから行われる動作、あるいはいつもしている動作に対する軽い気持ちを表す表現となります。
過去の軽い動作や短い時間をあらわしたいなら、一下か一会儿を使います。

方向補語

私たちはちょっと上がります
×我们上去上去
○我们上去一下(一会儿)

あなたたちはちょっと出て来て
×你们出来出来
○你们出来一下(一会儿)

「動詞+方向補語」で、動作として2つの動作なので「軽い気持ち」が表せません。「時間的に短いこと」しか表せないのでこの場合は「一下,一会儿」を使用します。

一方、複合方向補語は重ね型はもちろん一下,一会儿も使えません。
私たちはちょっと上がりましょう
「我们走上去一下」ではなく、「我们上去一下」にして置けば大丈夫です。

3人称がする動作

「一人称と2人称」
我看看/你看看/我看一下/你看一下
我听听/你听听/我听一下/你听一下

「3人称」
他看看/他看一下(一会儿)
他听听/他听一下(一会儿)

上記の場合、1人称と2人称は問題ありませんが、3人称には重ね型と一下,一会儿は使用できません。
ただし全く使えないかというとそうではなく、使える場合もあります。

彼はちょっと見たいのですが、どう?
看看,怎么样?

彼は君の声をちょっと聞くべきだ
应该听听你的声音

単純な動詞の重ね型は3人称には使えませんが、上記のように助動詞があれば使えるようになります。もちろん一下,一会儿も使えます。

人間が操作できない自然現象

動詞の重ね型は動作主の軽い気持ちを表すので、動作主がない自然現象は重ね型も一下も使えません。

ちょっと雪が降って来たら大変ですよ
一点儿雪就麻烦了/稍微一下雪就麻烦了
ちょっと強い風が吹いたらゴミ箱が飛ばされる
稍微一刮大风,垃圾桶就被刮走了
ちょっと雷が鳴った
稍微一打了雷

上記のほか、下雨,出太阳,发生地震なども同じです。

「ちょっと〜」の丁寧な表現について

①ちょっとすみません
②ちょっと時間よろしいでしょうか
③ちょっと私にはわかりません
④ちょっと家族と食事に行きます

日本語でよく上記のように「ちょっと」を使用します。これらのちょっとは量的に少ない「ちょっと」ではなく、丁寧な気持ちを表すために「ちょっと」と使っています。
上記の文を中国語で訳す場合、一下,一会儿,一点儿は使えません。この丁寧な気持ちの「ちょっと」は中国語で訳すことができないので、表現を変えて表すしかありません。

①对不起
②你现在方便吗?/你有时间吗?
③对不起,我不明白
④我跟我家人一起去吃饭

上記のように無理に「ちょっと」を中国語で訳そうとせず、ストレートに表現すれば大丈夫です。

しかしながら一点儿,一会儿,一下が丁寧な表現を表す場合があります。

①社長何かお飲みになりますか?
②食べ物をお求めですか?
③何を召し上がりますか?
④ちょっと待ってくださいませんか?
⑤ちょっと手伝っていただけませんか?
⑥ちょっと飲み物を買って来ます

これらの丁寧な気持ちが入った日本語を中国語で訳す場合、一点儿,一会儿,一下を使って表現します。

①老总,您喝点儿什么?
②您买点儿吃的吗?
③您吃点儿什么?
④请你等一会儿,好啊?
⑤你可以帮我一下吗?
⑥我去买点儿喝的

「一+量詞」の表現

目上の人や親しくない人にお願いしたり、何かをしてあげたりする時、そのまま動詞+目的語だけで言うと失礼になることがあります。その場合は「一+量詞」を目的語の前に使うと丁寧な言い方になります。

ここで写真をお撮りしましょう
我在这儿给你们拍(一)张照吧
お水を買っていただけませんか
你给我买(一)瓶
今晩、私に電話くださいませんか
今天晚上你能给我打(一)个电话吗?

もし「一+量詞」がない場合は馴れ馴れしくなってしまいます。友達同士で話す場合はいいですが・・・・
あと「一」は省略可能です。

数量詞の語順の誤りについて

日本語の数量詞の語順は中国語とかなり違うのでしっかり勉強していく必要があります。

数量詞の語順ルール

『基本語順』
動詞+数量詞+目的語

目的語が人の場合は、「動詞+目的語+数量詞」になります。
目的語が場所の場合は、数量詞は目的語の前後どちらにも置けます。

離合動詞の場合は、「動詞+名詞」で一つの動詞になっているので数量詞がある場合は、「聊一个小时天」のように動詞と名詞を分離させて間に数量詞を入れましょう。詳しい説明はこちらにしています。

数量詞と時間詞がある場合

時間詞+動詞+数量詞+目的語

私は週一回中国語の授業がある
一周一次汉语课
彼は年に10冊本を読む
一年十书

一点儿,一会儿,一下がある場合

一点儿,一会儿,一下も数量詞なので必ず目的語の前に置きましょう

彼はちょっと日本語が話せる
他会说一点儿日语
昨日私はちょっとテレビを見た
昨天我看了一会儿电视

数量詞+人称代名詞+名詞の場合

私の2人の先生が東京に行った
我的两个老师去东京了
たくさんの友人もあそこに行きます
我的很多朋友也去那儿

以上となります。
他の文法もこちらにまとめているので確認して見てください

ではでは!

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ABOUTこの記事をかいた人

大学卒業後、社会人として約11年勤めてきたが30代半ばにして中国への留学を決意。30代からの中国語学習の過程やその時初めたブログ運営についてわかりやすくご紹介していきたいと思います!!