詳しく簡単解説 中級中国語文法 形容詞(很多,状語)について
Contents
たくさん〜した(很多について)
昨年はたくさん遊んだ
昨年はたくさん笑った
昨日は中国語をたくさん勉強した
上記の文を中国語に訳すとどのようになるでしょうか?
去年我玩儿了很多
去年我笑了很多
昨天我学了很多汉语
このように很多を使用すると間違いになります。なぜ間違いなのか学習してきましょう
很多は副詞ではなく「副詞+形容詞」の連詞
日本語の「たくさん」は副詞で「たくさん遊んだ、たくさん食べた」のように動詞を修飾できます。しかし很多は動詞を修飾できません。很多は副詞ではなく、「副詞+形容詞」の連詞だからです。「很多吃」などとは言えません、形容詞だけなら副詞として動詞を修飾できるので「多吃(たくさん食べて)」などとは言えます。
「副詞+形容詞」の連詞は主に名詞を修飾するのが役割です。例えば「很多人,很多东西」などです。基本的にこの連詞は名詞を修飾するので、もし很多の後に名詞がない場合は名詞が省略されていると考えてください。很多単独では目的語としては使われないので注意です。
昨日たくさん食べた
昨天我吃了很多(东西)
昨日たくさん飲んだ
昨天我喝了很多(酒)
このように很多で終わっている文でもその後ろには名詞が存在しています
自動詞には很多は使えない
自動詞は目的語が取れない動詞のことです。很多には必ず名詞が必要だと上記で説明していますので、目的語が取れない自動詞には很多が使えない事になります。
そのため「笑了很多,哭了很多,生气了很多」などには出来ません。しかし一部の自動詞は限られた目的語を取ることができます。例えば「歩く、走る、死ぬ」は「走了很多路,跑了很多路,死了很多蛋鸡」のように使えますが、「走了很多,跑了很多」などのように目的語は省略できません。
玩儿は自動詞も他動詞もあります。
「我们玩儿扑克牌吧(私たちはトランプをしよう)」の場合、玩儿は他動詞使いになります。玩儿が取れる目的語は「トランプ、かくれんぼ」のような特定のゲームだけです。特定のゲームの目的語がない場合はほとんど自動詞となります。
そのため、上記に書いた「去年我玩儿了很多」は玩儿が自動詞のため間違いとなります
他動詞で目的語がある場合でも很多が使えない場合があります。
それはその目的語が数えられない目的語の場合です。
吃や喝の目的語である食べ物や飲み物は数が数えられますが、目的語が汉语や网球などは数が数えられないので很多を付けることができません。
そのため上記の「昨天我学了很多汉语」は間違いとなります。この汉语を「中国語の語彙(汉语单词)」に変えると数が数える目的語となりますので「学了很多汉语单词」と言えるようになります。
では「たくさん笑った、たくさん寝た、たくさん休んだ」などはどのように言うのでしょうか
很多时间か很多次を使う
「たくさん笑った、たくさん寝た、たくさん休んだ」のような文では、時間の量や回数にすれば数えることができます。
昨天笑了很多时间/昨天笑了很多次
昨天睡了很多时间
昨天休息了很多时间/昨天休息了很多次
上記に書いている「去年我笑了很多」の場合、時間的に長いので很多时间や很多次は使いにくく、一年間の「たくさん笑った」ことは言い換えれば「楽しいことが多かった」と言えるので「去年很多愉快的事」とすると中国語らしくなります
昨日テニスをたくさん練習した
昨天我打了很多时间网球
程度補語を使う
「たくさん遊んだ、たくさん練習した、たくさん勉強した」の「たくさん」は副詞の役割で動作の多さを表しています。中国語で訳す場合、程度補語を使う方法もあります
昨日はたくさん遊んだ
昨天玩儿得很尽心
昨天玩儿得很痛苦
昨日はたくさん練習した
昨天练习得很辛苦
昨天练习得很累
一番上に書いている「去年我玩儿了很多」は一年間の長い時間の「遊ぶ」なので程度補語を使用して訳すことができません。
「去年はたくさんのことをして遊んだ(去年我玩儿了很多东西)」という言い方も中国語ではあまり使わないので「昨年は色々な所に遊びに行った(去年我到很多地方游玩了)とした方が自然です。
いかがでしたか?
日本語では「たくさん〜した」という表現は簡単ですが中国語だと難しいですね・・・
很多を動詞の後に使える場合は必ず他動詞で且つ目的語が数えられる場合と覚えといて下さい。自動詞と数えられない目的語の場合は很多ではなく別の表現を使用する必要があります。
形容詞の状語について
動詞を修飾する形容詞のことを「状語」と言います。
「早く勉強して!」は「快学习」と言えるのに、なぜ「ゆっくり勉強して」は「慢学习」と言えないのでしょうか。勉強していきましょう
状語とは
状語とは中心語の動詞か形容詞を修飾するものを言います。よく使うのは副詞・形容詞・数量詞・介詞構造です。詳しくはこちらに書いています。
ここでは形容詞が状語になる場合について説明してきます
形容詞が状語になる条件
形容詞の状語は中心語の動詞を修飾して、具体的にその動作の様子を説明しています。主な用法を2つです。
助詞の「地」を使う
進行中、あるいは前からずっとやっている動作の様子、状況を説明する場合,「地」を使用して表現します。「地」の使い方はこちらで確認してください
動作の命令や忠告、予測をする時
動作の命令/忠告/予測をする時は「形容詞+動詞」で表現できます
早く食べなさい
你快吃!
あなたは柔軟にこの問題を処理しなければならない
你得灵活处理这个问题
彼は自分から進んであなたを手伝うと思う
我想他会主动帮你的
形容詞が状語になれない条件
動作の評価や結果の文
動作の評価や結果を表す文は形容詞は状語になれません。その場合は様態補語を使用します
彼は流暢に中国語を話す→動作に対する評価
他汉语说得很流利
彼は抽象的に話した→動作の結果
他说得很抽象
単音節の形容詞
単音節の形容詞はほとんどがそのままでは状語にはなれません。なれるのは快,多,少などわずかです。慢走という言い方がありますがこれは決まり文句で「気をつけて」という意味で、その他の言い方「」ゆっくり食べなさい」などは「慢吃吧」とは言えず、「你慢慢儿吃」とする必要があります。
単音節の形容詞に「一点儿」をつけて意味が通じた場合は、相手にお願いする時には状語になれます。
慢点儿吃(少しゆっくり食べて),你晚点儿来(少し遅く来て),你轻点儿放(ゆっくり置いて)と言えます。
一部の形容詞
形容詞でもなぜか状語になれないものがあります。容易,幸福,顺利などです。なぜこれらの形容詞が状語に慣れないのかはよくわかりません・・・
形容詞+的+名詞について
形容詞が名詞を修飾する場合、「的」をつける場合とつけない場合があります。この違いを勉強してきましょう
的が使えない場合
形容詞+名詞が名詞になる場合は「的」は使いません。
新人「新人」花嫁「新娘」新入生「新生」いつもの場所「老地方」などです
的が必要な場合
否定副詞・程度副詞がある場合
形容詞の前に否定副詞「不」や程度副詞「很,非常,太」などがあれば名詞を修飾する場合、必ず「的」が必要になります。
不好吃的菜,很难的问题,太窄的教室
多と小は例外で、「很多问题,很多的问题」「很小机会,很小的机会」どちらでも言えます。
状態形容詞と形容詞の重ね型
『状態形容詞』
雪白屋顶⇨雪白的屋顶(雪のように白い屋根)
冰冷双手⇨冰冷的双手(氷のように冷たい手)
『形容詞の重ね型』
形容詞の重ね型は状態形容詞になるので必ず「的」が必要です。
胖胖小孩子⇨胖胖的小孩子(ぽっちゃりした子供)
红红太阳⇨红红的太阳(真っ赤な太陽)
以上となります
他の文法もこちらでまとめているので確認してみてください
病好了很多
变化了很多
の文法は、どのように理解したら良いのか分かりません。
教えていただけますでしょうか?
コメントありがとうございます。これらの文は参考書などに載っていた文でしょうか?
变化了很多でも通じないことはないと思いますが中国人からしてみると不自然と感じられるのではないかと思われます。「変化が大きい」という文であれば「有了很多变化」にすると自然かと思われます。この「变化」は名詞扱いになります。
病好了很多はわかりません・・・すみません、、
すみません、間違えました。
HSK6級の教本に載っている文です。
私も同じような体験があり、中国人によって答えはバラバラで腑に落ちないことがあります・・・
中国語の文法は日本で購入する参考書通りの文法でなくても通じることが多々ありますよね。。
中国人で「中国語は文法なんかない」なんていう人もいました笑
最近は私もあまり深く考え過ぎないように心がけています。
ご期待に沿えず申し訳ございませんでした。
ご回答ありがとうございます。
どちらの文も中国で購入した中国語版のHSK5級の教本にあったものです。
何人かの中国人に聞いても、深く考え過ぎだとはっきりした回答は得られず。。。
ありがとうございました。
これからもHP拝見させていただきます。