詳しく解説 中級中国語文法 副詞「才」の使い方
以前にこちらで「就」について説明しました。今回は「就」に相対する言葉の「才」について説明してきます。
才も就と同様に以下の4つの用法があります。
時間副詞「やっと」「ようやく」
関連副詞「しかたなく〜した」
範囲副詞「わずか」「ただ」「だけ」
語気副詞
では確認していきましょう。
Contents
時間副詞の才
時間副詞の才は2つの用法があります。
やっと〜した
動作が時間的・時期的に遅い時に使用され、「やっと〜した」という表現になります。
今やっとわかった!
我现在才明白了
やっときたね!
你才来呢!
「才」と文末の「了」の関係
彼は9時にやっときた
他九点才来了
30分でやっと着いた
三十分钟才到了
上記の文末に「了」がありますが「才」は使えません。正解は
他九点才来
三十分钟才到
とする必要があります。就の場合だといつも了を使うので才にも使ってしまいそうになりますが気をつけましょう。
ただし例外が2つあります。
今やっとわかった!
我现在才明白了!
上記の文には了が使用されています。この了は「もともとわからなかった状態からわかるようになった」ということを表すための了で、新状況の実現を表しています。こちらで了の説明していますのでご確認ください。
なんども練習して、やっと暗記できた
我练习了很多次,现在才会背了
上記の文でも了を使用しています。動作が実現する前に何かを繰り返すなどという前提があれば了が使用できます。
結論としては、単に動作が遅く実現したという事実を説明するときには了を使わずに才だけで表現しなければいけないということです。
〜したばかり
単文で動作を修飾して、その動作が行われたばかりということを示します。
彼は日本に来たばかりです
他才来日本不久
彼は病気が治ったばかりです
他才病好
関連副詞の才
関連副詞とは连词で使われる副詞のことです。
条件複文
只有~才~
〜してこそ〜できるようになる
只有多听,汉语才能进步
たくさん聴いてこそ、中国語を進歩することができる
只有他来,问题才能解决
彼が来てこそ、問題が解決できる
因果関係を表す複文
因为~才~
为了~才~
上記の複文は才だけでなく就もつかえまますがニュアンスの違いがあります。
因为你要,我就给了你
君が欲しがるから、あげたよ
因为你要,我才给了你
君が欲しがるから、仕方なくあげたよ
为了照顾孩子,我就放弃了工作
子供の面倒を見るために、彼女は仕事をやめた
为了照顾孩子,我才放弃了工作
子供の面倒を見るために、彼女は仕方なく仕事をやめた
違いは就については「過去の事実を客観的」に表していますが、才はその原因は「仕方ない」というニュアンスが含まれます。
範囲副詞の才
才は只や就と同じく数量が少ないことを表します。日本語での「わずか、ただ、だけ」にあたります。
わずか一年しか勉強していない
我才学一年
たった5元か!
才五块啊!
上記の文だと只や就に置き換えることができます。しかしながらこの3つにはニュアンスの違いがありますのでそれを踏まえて才の説明をしてきます。
才/就/只のニュアンスの違い
只「動作や数が少ないこと」
就「只より動作や数が少ないことをさらに強調」
才「不思議や不満に思う気持ちが含まれる」
只と就のニュアンスの違いは少ないことへの強調度合いが違うだけですが、用法が少し違います。就は名詞や数量詞の前に置くことができますが、只は置くことができません。只を名詞や数量詞の前に置く場合は只有にしなければいけません。
この本はわずか300円だ
这本书就300日元
这本书只300日元
⇨这本书只有300日元
ではニュアンスの違いを具体的に見ていきましょう
你一天只/就/才学30分钟,怎么行呢?
1日わずか30分の勉強って、だめじゃない?
只⇨優しい気持ちで相手に忠告する
就⇨勉強時間が少ないことを強調してるが不満な気持ちは含まない
才⇨不満な気持ちが含まれている
文法的には3つどれでも使うことができますが、このように話す人の気持ちを使い分けることができます。
才の制限
才の使い方には制限があります。
動詞を制限できない
彼はお茶だけ飲んでコーヒーは飲まない
他就/只喝茶,不喝咖啡
上記のように動詞を制限する際は就と只は動詞の前に使用できますが、才は使用できません。才は数量の少ないことしか表せません。
動詞を修飾する場合は、動詞の後の数量詞が必要で、しかもその動作が過去か現在の事実でなければなりません。
①彼は英語だけ勉強する
他才学英语
②彼は外国語を一つだけ勉強したい
他想才学一门外语
①は動詞のあとに数量詞がないため才は使用できません
②は未来のことなので才が使用できません
才を使う場合は、動作が事実であり、動作の後に数量詞が必要となります。
名詞を修飾できない
名詞を修飾する場合は、就か只有を使わなければいけません。
彼らの中で李さんだけ結婚してない
他们之中,才李先生没结婚
上記の文の場合、名詞である李先生の前には才が置けません。就か只有を使って表現する必要があります。
語気副詞の才
語気副詞の才の用法も色々ありますので就との違いも合わせて説明していきたいと思います。
他と比較し程度を強調
私が買ったのは高くないよ、君がかったのこそ高いよ!
我买的不算贵,你买的才贵呢!
形容詞を単独で修飾し程度を強調します。語気副詞の就が形容詞を修飾する時は、必ず前後に同じ形容詞を置き、「仕方なく」というニュアンスを表します。
高くても、買わない訳にはいかない
贵就贵吧,不买不行
この形容詞は話者にとって好ましくないことで、才にはこの用法がありません。
他と比較し「そのものであること」を強調
①那就是他的家
②那才是他的家
①あれが彼の家だ
②あれこそが彼の家だ
就是は単に限定する語気を強めるだけですが、才是は他と比較し「この家は彼の家ではないよ、他でもないあれこそが彼の家だよ」と比較してからの強調を表しています。
相手の提案を否定
彼は私に言えと言ったが、私は言わない
他要我说,我才不说呢
他人の要求に逆らう際に才を用いて表現し、否定か否定的なことにしか使用できません。そしてよく語気詞の呢と一緒に使われます。
才はかなり感情的に、しかも相手の要求に逆らうときに使われ、ちょっとマイナスのイメージがあるので目上の人には使わないようにしましょう。
以上となります。才も就とよく使われる言葉ですが、感情を表す言葉なのでなかなか使いこなすには時間がかかってしまいます。時間をかけてマスターして行きましょう。
ではでは!!